ピンゴロブログ

躁鬱ニートの浮き沈み日記

長谷部誠著 心を整える。を読んだ感想。

 

 長谷部選手、真面目すぎるわww

 

 常に自分の心と向き合って気持ちを整えることは、大切だと思ったし、参考にしたい。

 特に感じたことは、長谷部選手は、徳を積んだお坊さんみたいだなと思った。

 

 例えば、遠征先の合宿所の玄関に、靴が脱ぎ散らかされていたとする。普通の選手は、「自分は日本代表なんだ。靴を揃える仕事なんて、清掃スタッフに任せておけばいいい。」なんて考えるかもしれない。あるいは、「あっ、監督があっちから歩いてくるぞ。ここで何気なく靴を揃えていれば、評価が上がって、試合で使ってもらえるかも。」なんて下心が働くかもしれない。それが並の煩悩がある人間だ。

 

 しかし、長谷部選手は違う。

 

 周りの評価を上げる為じゃない。人の見てないところでも善行を重ねることで、己の心を清潔に保ち、やらなかった後悔を極力少なくすることが(彼は真面目だから、あのとき靴を揃えておけばよかった。なんて思い返すんじゃないかな?)『心を整える。

ことに繋がるのだろう。したがって、その後、「誰が靴、揃えてくれたの?」なんて話題がでても、彼の性格からして確実に名乗り出ないことだろう。

 

 ただ、真面目すぎるのも欠点になりうると思った。この本を読んでる途中にも、

「長谷部、鬱陶しいわ・・・真面目をこっちに移すなよ。俺は楽にやりたいんだよ!」

なんて思ってしまったくらいだから、(彼の鬱陶しさにはスポーツ系学級委員長のそれがある。)いつも近くにいる人の気持ちは僕なんかの比じゃないだろう。

 

 まあ総じて評価させてもらえば長谷部選手は滅茶苦茶いい人だ。サッカー選手以前に一流の社会人として必要な人間性やマナーを身につけているので、もしサッカー選手じゃなくてお堅い仕事に就いたとしても、人に好感を持たれて、人望も厚く、きっと成功者になっていたことだろう。

 

 最後に、長谷部はこの本の中で、好きな本の一つを挙げて、『太宰治人間失格』を

選んだ。実は僕も太宰が好きで、人間失格は人生ベスト5に入るくらい救済されたので

(主人公の気持ちが痛いほど共感できて、こんなに生きづらくても生きてていいんだ。

無理して自分を変えなくてもいいんじゃないか?どんなに落ちぶれても春風が吹けば

気持ちいいことに変わりはないじゃない。みたいな)長谷部選手の同じ感想を持ったんだぁ、意外だなぁと思った。

 

 しかし、長谷部は、やはり長谷部だった。作中から原文のまま紹介する。

 

 『人間失格』(太宰治著 新潮文庫

 

 自分にとって反面教師的な意味ですごく好きな作品だ。物語の途中でこんな一文が出てくる。

      ふさ        ひきがえる

  ゆくてを塞ぐ邪魔な石を 蟾蜍は廻って通る。

 

 ひきがえるは目の前に大きな石があると飛ばないで避けて通るそうだ。 

自分に置き換えて考えてみると、これまで目の前に、大きな壁があったときに、

避けて通ったことがあったように思う。もし次に大きな岩に出会ったら、横に迂回するのではなくて、登って越えられるような人間になりたい。自分に「逃げるな!」!と言い聞かせる意味でこの本も繰り返し読むようにしている。

 

        

    ・・・・・住む世界が違うwwwww